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トカツ

流通科学大学 Libro

掲載:2026年9月15日

第27回図書館総合展ポスターセッションへの出展者賞として、Jcrossを運営するブレインテックから「ブレインテック賞」をお贈りした流通科学大学 Libroさん。今回お話を伺ったのは、学生課外活動団体「Libro」のみなさんと、技術指導・副顧問としてサポートする図書館職員の中川さんです。

流通科学大学 Libro
名称
流通科学大学 Libro
活動内容
「話すチカラで未来を変える」をキーワードに、図書館の魅力を学生の視点でPRするライブラリーツアーをはじめ、幼稚園や保育園と連携した絵本読み聞かせ活動、大学行事の司会等、様々なイベントを通じて「話す技術の向上」を目指し活動しています。
人数
19名(2025年度)
ウェブサイト
https://www.umds.ac.jp/library/libro/

Libroとは

Libroは、話すチカラで未来を変える!を活動キーワードに、大学図書館と連携したライブラリーツアーや近隣幼稚園での読み聞かせ、図書館総合展への出展など、さまざまな活動を通じて話す技術の向上に取り組んでいる部活動です。

プロのアナウンサーによる講習会をはじめ、専門的な指導をしっかり受けられることも大きな魅力の1つです。

Libroは2016年に、本や図書館が好きなメンバーが集まり、おすすめ本のPOP作成や読書会などを中心に活動する図書館傘下のサークルとして発足しました。しかし、部員が集まらないという課題に直面します。「学内にいるのは読書家ばかりではない。ニーズに応えるには、もともと図書館を使わない層を取り込む必要がある」というマーケティングの視点から、本や図書館に興味を持つきっかけづくりをコンセプトに2018年に指導者の中川さんによってLibroが再構築されました。現在は技術指導を行う中川さんのサポートのもと、部員たちが「話すチカラの向上」に取り組み、それを活かした活動を中心に展開しています。

滞在型図書館を巡るライブラリーツアー

Libroの活動の中でも、部員の力を直接感じられるのが「ライブラリーツアー」です。今回、私たちもツアーに参加させていただきました。ヘッドセットを装着して準備を始める姿に今からどんなツアーが始まるのだろうと期待が高まります。

1階はカフェのような明るい雰囲気で会話の制限がありません。印象的だったのは、館内に「会話OK」といった張り紙がないことです。ルールを掲示するのではなく、空間のレイアウトや雰囲気づくりによって、学生が自然と入りたくなる居場所を目指しているからです。

一方で2階へ上がると雰囲気は一変し、静かなサイレントエリアが広がります。従来の図書館としての機能もしっかり保持されています。半個室のスペースもあり、学習に集中できる空間づくりがされています。館内には学生が集まる仕掛けがいくつもありました。例えば、スマートフォンの充電スタンドやデジタルサイネージを使用した就職情報提供、給水機など心地よく長居できる工夫が満載でした。

1階の明るい館内

ライブラリーツアーでは、単に本棚の場所を説明するだけでなく、図書館の居心地の良さや楽しさを伝えるため、原稿を読むのではなくアドリブを交えた案内が行われています。参加者に質問を投げかけたり、ガイド同士で掛け合いをする場面もあり、とても楽しいツアーでした。

こうしたライブラリーツアーに限らず、幼稚園での読み聞かせ活動などにおいても、学内外との事前調整や連絡はすべて部員自身が行っています。こうした経験を積み重ねているからこそ、本番で堂々と案内する先輩の姿が生まれ、新入生の憧れの存在となって新たな部員を引き寄せる良い循環を生んでいます。

写真提供:流通科学大学 Libroライブラリーツアー様子

気になる入部理由

取材の中で「なぜLibroに入ったのか」を伺うと、部員それぞれからエピソードを聞くことができました。今回は3年生で副部長の奥出さん、2年生で部長の横山さん、1年生の大塚さんにお話を伺いました。(※学年は取材当時)

アルバイト以上の経験(3年副部長・奥出さん)

「本当は図書館でアルバイトをしようと思っていたものの不採用になり、大学生のうちに何かを成し遂げたいと考えていたタイミングで先輩から勧誘を受けました。アルバイト以上に多くの経験と成長が得られたと感じています。」

先輩への憧れと自分を変えたい思い(2年部長・横山さん)

「新入生向けのライブラリーツアーで案内してくれた先輩方が、とにかくカッコよかったのが最初のきっかけです。引っ込み思案で自分に自信がない性格を変えたいという思いもあり、入部を決めました。」

保育への関心と1位を目指す熱い演説(1年・大塚さん)

「保育系の進路に迷っていたため、幼稚園訪問や読み聞かせができることに惹かれました。さらに説明会で指導者の中川さんの熱い演説を聞き、図書館総合展 ポスターセッション部門1位を目指すチームに自分も参加したいと入部を決めました。」

(写真左から)奥出さん、横山さん、大塚さん/ (手前)Jcross公式キャラクター「ウパっち」[※1]

きっかけや入部理由は様々ですが、共通しているのはここで自分を成長させたい、本気で何かに打ち込みたいという強い想いです。挑戦する場としてLibroを選んだ部員たちの真剣な眼差しがとても印象的でした。

『これでいい』ではなく『これがいい』~日々の積み重ね~

指導者の中川さんは新入生に対し、現在の自分の立ち位置や、就職をはじめとする将来の目標について問いかけます。ただ大学生活を過ごすだけの場合と、Libroでこだわり抜いて活動した場合で、得られる成長にどれほどの違いが生まれるのかを投げかけると、部員たちは目標に向かって今何を行うべきかを自発的に考えて行動するようになります。そのベースにあるのが、「『これでいい』ではなく『これがいい』」という姿勢です。この妥協しない姿勢は、日々の地道なトレーニングや組織づくりにも深く根付いています。

声を届ける基本を作る毎日の発声練習

Libroの基本的な活動は週1回のメイン活動と週1回のミーティングですが、それに加えて集まれる部員で毎日昼休みに発声練習を行っています。練習内容は、放送部のような本格的なトレーニングです。

五十音を規則的に発音する滑舌練習をはじめ、「ダラダラ」「ジリジリ」「ズルズル」「デレデレ」といった言いにくい言葉を組み合わせた特訓や、腹式呼吸の発声トレーニングを重ねています。参加は任意ですが、地道に継続することで滑らかに口が回るようになります。

部員からは「ライブラリーツアーや館内アナウンスなど、活動の基礎になっている」「プレゼンでも自分の声に自信が持てるようになった」という声が聞かれました。

Libroには、アナウンスや朗読に専門的に取り組むTeamVoiceというグループがあります。このチームに入ると、もう1日活動日がプラスされ、高校放送部との合同練習会を実施することもあるそうです。 日々の地道な発声練習やこうした外部との切磋琢磨が、伝える力を鍛える大切な習慣となっています。

写真提供:流通科学大学 Libro高校放送部との合同練習会の様子

活動を支える資金集めの工夫

自発的に考えて動く姿勢は、遠征資金の調達方法にも表れています。毎年、開催される図書館総合展への参加にあたって、大学からの援助だけに頼るのではなく、地域の夏祭りにブースを出店して自分たちで旅費や活動資金を稼いでいました。スマートボールや的当てゲームなどのブースを企画・運営し、約20万円の資金を遠征費用に充てました。

単なる資金集めにとどまらず、子どもたちや親御さんにどうすれば楽しんでもらえるか、どう回転率を上げるかといった接客・見せ方の工夫を追求する経験は、図書館総合展での発表やチームワークを磨く実践の場にもなっています。

圏外の悔しさをバネに掴み取った頂点

図書館総合展ポスターセッション(2025年)において、Libroは見事1位を獲得しました。当日は部員18名、指導者の中川さん1名の計19名で参加されました。

もともとは他大学の活動に刺激を受けて挑戦を始めたのですが、今回の快挙の陰には前年の強い悔しさがありました。先輩が4位を獲得した2023年を経て、1位を目指した2024年はまさかの圏外。当時のミーティングは誰一人として何も喋れず、全員が下を向いて沈黙する重い空気に包まれていたそうです。

その悔しさをエネルギーに変えたのが今回(2025年)のチームです。指導者の中川さんが示した大枠の方針をただなぞるのではなく、部員自身がこれよりこっちの方がより良くなると自発的に考え抜き、ブラッシュアップを重ねました。

ここで生きたのが、日頃の「『これでいい』ではなく『これがいい』」という姿勢です。例えば、ポスターデザインを担当した部員は、一度完成した後も「ここを直せるな」「もっとできるはず」と最後まで妥協なくデザインやチラシを磨き上げました。さらに、他のブースにはない独自の工夫として、ポスター内にPR動画を組み込む仕掛けも実施したそうです。

私が会場内で特に印象的だったのは、会場でポスターを見ていた際、「どのくらいお時間がありますか?」と最初に尋ねてくれたことです。他のブースではなかなか体験したことがない、気配りでした。限られた時間でもしっかりと伝わるよう、その場に合わせて話の構成を調整して説明してくれた姿に、これまで鍛え上げた伝える力と自信がはっきりと表れていたと思います。

また、自分たちで資金を工面したからこそ実現した横浜での後泊では、最終日の夜に賑やかな打ち上げが催されました。その会場で上映されたのは、1年生部員たちが先輩に秘密で制作したサプライズ動画です。これまでの準備風景や卒業生からのメッセージがプロジェクターに映し出されると、会場全体が温かい感動に包まれたとのことです。当時の様子を楽しそうに語るみなさんの表情がとても明るく、話を聞いている私たちまで嬉しい気持ちになりました。

写真提供:流通科学大学 Libro

最後に、1位を取った団体として見られる以上、手は抜けない。ふさわしい姿であり続けたいと、今後の活動に向けて力強く決意を語ってくれました。

目標へ突き進む部員のみなさんの熱意と、それを引き出す環境がありました。Libroの取り組みには、これからの学生活動や図書館PRに活かせるヒントがたくさん詰まっていると感じます。今後の活躍も楽しみです。

取材にご協力いただいた流通科学大学 Libroのみなさま、本当にありがとうございました。

本記事の内容は取材時(2026年1月)のものです。