横断検索ナビ
全国の図書館横断検索サイトをまとめて紹介します。
横断検索について
横断検索ナビでは、横断検索を「複数の図書館の蔵書検索システムをまとめて検索し、結果を表示するもの」として考えています。 しかしこれは原則ですので、例外も存在します。
横断検索はそのサイト(システム)の運営者や目的によって地域範囲や館種別等が異なり、その機能や仕組みも様々です。
ここでは、その仕組みについて概要を紹介します。
最近では単純にこうした既存の概念にカテゴライズできない新しいサービスも誕生していますが、それについてはまた別の機会に紹介したいと思います。
横断検索の仕組み
横断検索は複数の図書館の蔵書検索システムをまとめて検索するわけですから、それぞれの図書館で運営されている異なる蔵書検索システムを検索し、結果を表示しなければなりません。
もともとが異なるシステムということは、検索方法も結果の表示方法も異なります。
もっとも単純なものでは、それぞれの蔵書検索システムの仕組みを解析して、それぞれに検索の方法を用意する方法があります。
横断検索システム側にわたされた検索条件を、その蔵書検索システムにあわせた検索条件に作成し直して検索するという方法です。
同様に検索結果についても、それぞれの蔵書検索システムの結果表示のHTMLを解析して、必要な情報を抽出して、新しく横断検索システムの結果表示用にHTMLを生成することで対応できます。
ただし、これでは検索対象となる図書館が増えたり、図書館の蔵書検索システムが変更になるたびに横断検索システム側も修正しなければならないため、維持するのには大きな労力が必要になります。
そのため、検索方法や検索結果の内容をあらかじめルールで決めておきましょう、という考え方が出てきました。
このルール(プロトコルやAPI)も、必ずしもひとつではなく、いくつかが存在していますが、ルールを決めることによってよって横断検索側はあらかじめそれぞれのルールに対応した検索の仕方を用意しておくことができ、各図書館の蔵書検索がどのルールに対応しているかがわかれば、容易に対応できるようになりました。
しかし、すべての蔵書検索がこうしたルールに対応しているわけではありませんので、依然として、前述の”解析する”という方法は利用され続けています。
複数の蔵書検索システムを横断する
前項でお話しましたが、それぞれの異なる蔵書検索システムをまとめて検索するためには、いくつか方法があります。
例えば、各蔵書検索システムの仕組みの違いを均すために、あらかじめ定められたルールとしては、Z39.50、OpenURLなどがあり、横断検索にも利用されています。
それぞれの蔵書検索システムに対応するために、多くの横断検索システムでは、複数の方式を併用しています。
ここではおもなものを紹介します。
- Z39.50
書誌情報検索を行う為の通信プロトコルとしてANSI/NISOが規定し、その後ISO国際標準(ISO 23950)になった方式がZ39.50です。
各図書館の蔵書検索システムがこのZ39.50に対応していれば、一括(つまり横断)して検索を行なうことが可能です。
ただし、国際標準にはなっているものの、文字コードの扱いに難があり、国内の図書館ではあまり利用が進んでいないため、日本では横断検索の方式としても一部でしか使われていません。
なお、Z39.50の第1版は1988年に発表されていた技術であり、インターネットでの利用に、より適した後継技術としてSRU/SRWが普及し始めています。
- OpenURL
インターネット上で書誌情報データを特定できる規格として、NISOが規定したものです。
日本の蔵書検索システムでもこのOpenURLに対応したものが増えてきており、これを利用した横断検索も可能になっています。
- HTML解析
Z39.50やOpenURLなどの共通ルールを利用せず、各蔵書検索システムのHTMLを個別に解析し、横断検索を行なう方法もあります。
横断検索システムに渡された利用者からの検索条件を、各蔵書検索システム用に作り直して検索します。
この場合、それぞれの蔵書検索システムのために個別にプログラムを用意するなどして実現します。
この方法では、各蔵書検索システムから返される検索結果もそれぞれ異なるため、返される結果表示用のHTMLを解析して必要な情報のみを抽出(スクレイピング)し、横断検索システムの結果表示用にHTMLを作り直して表示したりします。
- 独自方式
パッケージ化された横断検索のシステム等では、独自でルールを作成しているものもあります。各蔵書検索システムがそのルールでの検索に対応することで、横断検索を実現しています。
県立図書館の横断検索はこの形式で実現しているものがよく見受けられます。
総合目録と横断検索
コンピューターが利用され始める以前から、複数の図書館の蔵書を調べられるツールとして、出版物としての総合目録というものがあります。
総合目録は、1つの書誌に対して、それを所蔵する図書館が列記された形の図書目録です。
ひとつの目録ですので、システム化する場合、複数の図書館の情報を集積し、ひとつのデータベースで構築する方法が多く用いられます。 複数の蔵書検索システムを検索した場合、返される結果が必ずしも統一された情報されているわけではないためです。
しかし、この点はシステム側の問題ですので、必ずしもひとつのデータベースである必要はありませんし、複数の図書館での所蔵を確認するためのツール(システム)、という点では、総合目録も横断検索も同じであると言えます。
実際に、仕組みとしての横断検索と総合目録という表現を区別なく使用しているサイトも存在しますので、横断検索ナビでは、総合目録サイトも含めて紹介をしています。