専門図書館見学記

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建設産業図書館

掲載:2016年3月17日
図書館名
建設産業図書館
住所
東京都中央区築地5丁目5−12
URL
https://www.ejcs.co.jp/library/cil.html

専門図書館への期待...ディープな世界へようこそ!

ひょんなことから、専門図書館を見学するチャンスが巡ってきました。その名も「建設産業図書館」。仕事柄、公立図書館には機会を見つけて見学に行くこともありますが、専門図書館に伺う機会はこれまでほとんどありませんでした。

私が今働いている図書館は社会科学の資料が多い図書館ですし、自分が学生時代に勉強したのは文系のジャンルということもあり、「建設」と聞いて思い浮かぶのは大手の建設会社の名前か、近所の建設現場で働いているおじさんたちの姿くらいのもの。そんな自分が足を踏み入れていい図書館か?とドキドキしながら伺いました。

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建設産業図書館は、東日本建設業保証株式会社が設置する専門図書館で、浜離宮建設プラザビルの1階にあります。
館内を案内してくださったのは学芸員の江口さんでした。図書館と言えば司書、と思いがちですが、この図書館では学芸員さんが活躍しています。棚を巡りながら、資料について尋ねれば、すらすらと回答が出てきます。図書館が開設されたころ(2002年)からいらっしゃるそうで、この図書館の生き字引です。

建設産業図書館は、株式会社の設置する図書館ではありますが、利用資格は特に定めず、とのことで、誰でも無料で使うことができます。所蔵資料や建設産業に関するレファレンスも受けていただけるとのこと、つい「自分の図書館で回答できないようなこと、聞いてもいいでしょうか?」と聞いてしまいました。「わかる事なら答えます」とのこと。心強いですね!見習わなければ!

専門図書館ならではの蔵書

「建設産業」と頭にある図書館ですので、蔵書のほとんどは建設に関するものになります。一口に建設と言っても、建設関係の社史・団体史・伝記、建設産業史、災害史、工事史、建設統計、建設関連法規...と蔵書は深く掘り下げられ、書籍だけで約43,000冊、雑誌約580タイトル、AV資料約1,900点に及びます。なお、建設関係のAV資料ってどんなものか...というと、安全管理や社員教育、ISOなど、公立図書館にはあまりない資料ばかりです。しかしAV資料は人気があるようで、4月は新人教育用に、初夏には熱中症対策に、と季節によってニーズに変遷があるそうです。

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この図書館の核となるコレクションとして、古川修文庫があります。2000年に亡くなられた古川修氏(京都大学・工学院大学で建築科教授となる)が所蔵していた建築生産・建設業研究に関する資料を閲覧することができます。古川修文庫は図書館の最奥の壁一面に配置されています。圧巻のコレクションです。

その他にも気になったのは、なぜか小説があること。いかにも建設関係の資料の間に、ふと現れたなじみのある文学。聞くと、建設関係の小説や漫画も収集しているとのことでした。建設という分野に特化して資料を収集しているはずが、文学にも建設という分野への繋がり・広がりを見つけることができる蔵書。建設産業というキーワードで切り出されてくるものの深みを感じました。とても狭い入口をくぐったはずが、出口にたどり着くまでに、思いがけず広い世界を見た気がしました。

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なお、図書はA~Pまでのローマ字と数字を組み合わせた独自分類を行っているそうです。建設産業図書館のホームページ内蔵書検索の「条件項目から探す」の中に分類コードで検索できる機能がありますので、細かな分類が気になる方はそちらをご参照ください。

サービス

だれでも利用できる建設産業図書館ですが、来館が難しい遠方の方のために、郵送での貸し出しを行っています。送料は利用される方の負担となりますが、会社など、資料が必要なところに送ってもらえるというのは便利だなと思いました。もちろん図書館からの依頼にも応じていただけるとのことでした。

この建設産業図書館にしかない蔵書もあります。建設関係の資料をお探しの方には、まずはこの図書館の蔵書検索もお試しくださいとお勧めしたいところです。

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見学者
子安伸枝(千葉県立中央図書館)
見学した専門図書館
建設産業図書館
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